株が心配なときに金を買う人は多いのに、10月は金のほうが株より大きく下げました。金価格は1オンス3,899ドルまで下がって約1年ぶりの安値となり、同じ月のS&P500の下げは0.9%にとどまりました。
1月下旬につけた最高値5,318ドルからは、27%安い水準です。
| 10月 | 2026年の年初来 | |
|---|---|---|
| 金 | -6.9% | -10.2% |
| S&P500 | -0.9% | +10.7% |
つまり、今年安心を求めて株から金にお金を移した人は、二重に損をしていることになります。金の値段は下がり、手放した株はたいてい年初より値上がりしているからです。
金価格はなぜ下がっているのでしょうか?
いちばんの理由は金利です。金は持っていても利息を生みませんが、預金や国債には利息がつきます。金利が高いまま長く続くと見られると、金を持つことで受け取りそこねる利息が大きくなり、手放す人が出てきます。
10月は、この見方がさらに強まりました。原油価格は4か月続けて上がり、米国ではガソリン代の上昇で9月の物価の伸びが再び加速したことが統計で示されました。
同じ週、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行はそろって金利を据え置きましたが、エネルギー価格によるインフレに警戒を示しました。これを受けて、エコノミストの間では年内最後の会合での米国の利上げ予想が強まりました。
アナリストは、ほかに二つの理由も挙げています。コメルツ銀行は、ハイテク株の急落で、借金をして投資していた人の一部が損失を埋めるために金を含むほかの資産を売らざるを得なくなった可能性を指摘しました。
買い手も様子見に回りました。インドではさらに値下がりを待って購入を先送りする人が多く、最大の買い手である中国でも需要は弱いままでした。
今回、金が守りにならなかった理由
株が下がると金が上がることはよくありますが、それは主に暴落や戦争、危機が心配されるときです。今回の市場の最大の不安は金利が高いまま続くことで、これは金にとっても悪い材料です。そのため、どちらかがもう一方の下げを和らげることなく、両方がそろって下がりました。
とはいえ、誰もが売っているわけではありません。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、各国の中央銀行は第2四半期に289トンの金を買い、この四半期としては過去最大でした。同じ期間に、個人が金に投資するためのファンドからは45トンが流出しました。
中央銀行はふつう何年も持ち続けるつもりで買い、ファンドの投資家は金利により敏感に反応します。金利への不安が高まると、価格に表れるのは主にファンドの売りです。
金はいま割安なのでしょうか?
1月より安いのは確かですが、最高値より値段が低いというだけで割安とはいえません。
27%の下落が教えてくれるのは、金が5,318ドルからどれだけ離れたかであって、3,899ドルが妥当な値段かどうかではありません。金利への不安が金を押し下げたのなら、その不安はまだ消えていないので、私はさらに下がる可能性もあると考えています。ただ、底がどこかは私にもわかりません。
私の見方が外れることも十分ありえます。コメルツ銀行は今回の下げは行き過ぎだとして、持ち直しを予想しています。原油価格が落ち着き、年内の利上げが遠のけば、下落の最大の理由はなくなりますし、中央銀行は年央の時点でもまだ大量に買っていました。
いつ買ったかによっても話は変わります。金は1年前と比べると2.9%安いだけなので、本当に痛手を受けているのは1月の最高値近くで買った人たちです。
私がしたこと、金を持っている人が確かめたいこと
私自身は金を持っていません。守りのために取っておくお金は配当を出すファンドに入れていて、相場が下がっても分配金が入り続けますが、金は何も生みません。
ニュースが出たときは、自分で価格を確かめました。2026年10月30日の終値で、金は1グラムあたり約125ドルでした。売りも買いもしていません。
金がこれからどう動くかを考えるとき、金価格だけを見ることはしません。それでは、なぜ動いているのかわからないまま値動きを追いかけることになるからです。代わりに見ているのは米国の実質金利、つまり金利から物価上昇分を差し引いた残りで、物価連動国債の利回りで確かめられます。
ドルと原油価格も見ています。実質金利や原油価格が下がり始めるか、ドルが弱くなれば、金を押し下げている最大の圧力は和らぐはずです。
金を持っているなら、今週ひとつだけ確かめてみてください。今日売ったら実際にいくら受け取れるかです。ニュースで見る相場とは違い、同じ1オンスの金でも形によって受け取れる額はかなり変わります。
| 持っているもの | 売るときに受け取る額を減らすもの |
|---|---|
| 地金・金貨 | 業者の買取価格は表示されている相場より安い |
| 指輪などのジュエリー | 評価されるのは金の含有量(重さと純度)だけで、加工にかかった代金は戻らない |
| 金のファンド | 手数料と、住んでいる国によって変わる利益への税金 |
金、11月末は10月末より高い?
言語別の結果
判定: 2026年11月30日の金先物の終値 · 読者の意見であり、投資助言ではありません。