FOMCは利上げ見送り、反対2票が12月を示唆

2026年10月28日のFOMCは利上げを見送り、見出しは「金利据え置き」でした。私が先に見たのは投票です。賛成10、反対2。反対した2人が求めたのは利下げではなく、利上げでした。だから私は、今回の据え置きを「次は利上げがあり得る」という警告だと受け止めています。

米国株を持っていなくても、無関係ではありません。FOMCの決定はドルを動かし、ドルはローン金利や預金金利、海外から買うほぼすべての物の値段を動かします。ふつうは、金利が米国より大きく低い国ほど影響を強く受けると言われます。ただ今年は、その見方ではあまり説明がつきませんでした。

FOMCは今回、何を決めたのですか?

政策金利の誘導目標を3.75%~4.00%に据え置きました。9月に利上げした後、物価が高いまま今回は一休みした形です。

据え置きに賛成 10利上げを主張 2
グラフ:10月の決定で、投票権を持つ委員の賛否が分かれた内訳。出所:FRBの声明。

反対の2人は、9月と同じ幅でもう一段の利上げを主張しました。ケビン・ウォーシュ議長は記者会見で、インフレ率は高すぎ、ここ数週間でエネルギー価格が再び上がったと述べています。

一部の企業や家計はお金を借りにくくなっているものの、「引き締まっている」と言えるほどではない、とも話しました。これまでの利上げの効果がまだ出きっていない、という見方です。

FOMCの決定は、私たちのお金にどう影響するのですか?

主に三つです。ローン、預金、そして為替です。

米国で変動金利のローンを組んでいれば、返済額はFOMCの決定にほぼそのまま連動します。ほかの多くの国では、自国の中央銀行も動いたときに限って変わります。預金金利もたいてい同じ方向に動きます。ドルや米国ファンドを持っていれば、自国通貨でいくらになるかは為替で決まります。

今年、私が意外に思ったのはこの最後の点です。FRBは利上げし、ドルはユーロに対しては実際に上がりました。ところが円に対してはほとんど動かず、韓国ウォンに対してはむしろ下がっています。

0%1月2日10月29日ユーロ円韓国ウォン● 韓国ウォン +8.0%● 円 -0.7%● ユーロ -5.1%
グラフ:米ドルに対する各通貨の価値、2026年1月2日からの変化。出所:Yahoo Financeの為替相場、MKViz計算。

ユーロ圏に住む人にとっては、ユーロ安でドル預金の価値がユーロで見て増えた一方、ドル建ての物は高くなりました。日本では、どちらの面でもあまり変化がありませんでした。韓国は逆で、利上げの最中でもドル資産はウォンで見て目減りしました。

私の場合:固定金利のローンと、分けて買ったドル

私は韓国に住み、米国の株価指数ファンドを持っています。住宅ローンは完済まで固定金利なので、利上げがあっても返済額は変わりません。預金金利も私にはあまり関係がありません。

大きいのは為替で、今年は私の予想と逆に動きました。1ドルは6月に1,554ウォンでしたが、10月には1,322ウォン前後まで下がりました。

6月、ウォンが最も弱い水準に近く、金利の見出しがあふれていたころ、私はまとまった額を一度にドルに替えかけました。結局は分けました。6月に1回、その後ドルが下がる間にさらに2回です。

1回目は天井近くで買ったので損をしましたが、残りはずっと安く買えました。

ここから学んだことは、どの通貨にも当てはまります。旅行でも学費でも投資でもドルが必要なとき、金利ニュースを見ても為替が次にどちらへ動くかはわかりません。決めた金額を分けて替えれば、相場の悪い日があっても、影響を受けるのは買う額の一部だけです。

同じ決定の影響が、なぜ日本・韓国・ブラジルで違うのですか?

ここからは、私が日ごろ注目している三つの国を使った私なりの読み方です。まず、米国と各国の金利差を見ます。お金は金利の高い通貨に流れやすいので、差が大きいほど自国通貨はドルに対して弱くなりがちです。

中央銀行 政策金利
米連邦準備制度(FRB) 3.75%~4.00%
韓国銀行 3.00%
日本銀行 1.25%
ブラジル中央銀行 13.75%
出所:各中央銀行の決定(報道ベース)、MKVizまとめ。

金利差で見れば、FOMCの影響を最も強く受けるはずなのは日本で、実際にそうなっています。ただ、目立たない形でです。日本の金利は米国よりずっと低く、円は今年まったく持ち直さず、今も1ドル=158円前後です。そのため、日本の家計にとって輸入品は高いままです。

韓国は差が小さく、ブラジルは逆に自国の金利が米国をはるかに上回っています。

差が小さいか逆転しているなら、ウォンやブラジルレアルは円より持ちこたえるはずです。実際そうなりましたが、主な理由は金利差ではありませんでした。レアルは今年、対ドルで約10%上がっています。

私の見立てでは、韓国は輸出でドルが大量に入り、ブラジルは大統領選が通貨を動かしました。

つまり金利差を見れば、FOMCの影響が最も大きいのは日本だとわかります。ただ、自国のニュースも同じくらい通貨を動かすことがあります。

次のFOMCはいつ?12月9日に利上げはありますか?

次の決定は2026年12月9日です。私は利上げの方に傾いていますが、最初ほどの確信はありません。

3.7%9月の米消費者物価、前年同月比
0.6%その1か月だけの上昇
20.4%エネルギー価格、前年同月比
グラフ:2026年9月の米消費者物価の数字。出所:Trading Economics(米消費者物価統計)。

物価は1年で3.7%、9月の1か月だけで0.6%上がり、なかでもエネルギーの上昇が目立ちました。反対票は2つとも利上げを求め、議長もインフレ率は高すぎると述べました。

迷う理由は、FRBが目標を測るのに使う物価指標が、この消費者物価ではなくPCE物価指数(個人消費支出の物価)だという点です。市場はすでに次回の利上げ確率を5割超と見ていますが、私は会合前に出る二つの数字を待ちたいと思います。10月の消費者物価と、会合の数日前に出る雇用統計です。

変動金利のローンや外貨の預金がある方も、この二つの発表日を見ておくとよいと思います。どちらも上向きを示し続ければ、私は利上げを予想します。そうなればドルでお金を借りるコストが上がり、円への圧力も続くでしょう。

読者投票

12月9日、FOMCは利上げするでしょうか?

判定: 2026年12月9日のFOMCの決定 · 読者の意見であり、投資助言ではありません。

出典

ほか9件の出典