【バーティブ 決算】受注は本物。では株価は?

バーティブの決算が出た今週、株価は一日で16.5%上がり、242.94ドルになりました。それでも、この1年の高値376.23ドルをまだ35%下回っています。

バーティブは、AIデータセンターの稼働に欠かせない電源・冷却設備をつくる会社で、受注が1年で2倍を超えたと発表しました。受注は本物に見えます。難しいのは、株価がすでにその受注をすべて織り込んでいるかどうかです。

高値からの下げの多くは、ある一日に起きました。2026年7月29日、第2四半期の決算を発表した日に株価は17%下がったのです。

会社は当時、サプライチェーンの混雑と、案件を段階的に納める進め方のせいで売上が一時的に遅れたと説明していました。今回の四半期は、それが本当に一時的な遅れだったのかを確かめる場でした。

376.23ドルこの1年の高値
17.26%第2四半期決算の発表日の下げ幅
242.94ドル今週の急騰後の終値
グラフ:バーティブの株価(米ドル)と、一日の下げ幅。出所:Yahoo Finance。

受注は2倍、でも金額は明かさない

バーティブは、受注が1年前より100%超伸びたとだけ言い、金額は出していません。そこで、顧客が設備を受け取る前に払う手付金を見ました。キッチンのリフォームと同じで、やるつもりのない工事に手付金を払う人はいません。

その手付金は四半期末で41.2億ドル、1年前の3.6倍です。だから私は、受注が本物のお金とともに入ってきていると見ています。会社は通期の売上見通しも6.5億ドル引き上げました。

2026年9月30日までの四半期 数値
売上 43.1億ドル(前年同期比+61%、うち約+6%は買収した会社の分)
顧客が払った手付金 41.2億ドル(1年前:11.3億ドル)
次の四半期の売上見通し 44.1億ドル
2026年通期の売上見通し 146.5億ドル(6.5億ドルの上方修正)
出所:バーティブ決算発表資料、SEC開示データ。

慎重になる理由も二つあります。一つは、年次報告書に、顧客が注文を取り消したり時期を変えたりできると書かれていることです。

もう一つは在庫です。部品や完成した設備のうち、まだ売れていない分が、今年に入って14.6億ドルから32.9億ドルへと2倍超に増えました。出荷を待っているだけなら、まもなく売上になります。積み上がっているだけなら、顧客がペースを落としている合図です。どちらなのかは次の決算でわかります。

よい知らせは、もう株価に入っている

PER(株価収益率)は、投資家が会社の1年分の利益の何倍を払って株を買っているかを示します。直近4四半期の利益で計算すると、バーティブは約44.6倍です。

記事などでは、これより低い「予想PER」がよく引用されます。すでに稼いだ利益ではなく、これから見込まれる利益で割った数字です。会社自身が出した2026年の1株利益の見通しで計算すると、約38.6倍になります。

ほかで見かける数字がさらに低いのは、たいていアナリスト予想の今後1年分の利益を使い、その先の成長まで計算に入れているからです。どちらで見ても、今の株価は好調な四半期がまだ続くことを前提にしています。

44.59倍直近4四半期の利益によるPER
38.62倍会社の2026年利益見通しによるPER
グラフ:バーティブの株価を1株利益で割った値、二通りの計算。出所:SEC EDGAR、バーティブ決算発表資料、MKViz の計算。

次の四半期の売上見通しは、二通りに読めます。前年同期と比べると、買収した会社の分を除いても約50%高い水準です。発表したばかりの今期と比べると、2%ほど高いだけです。

前者は、まだ速く成長している会社の姿です。後者は、四半期ごとの成長がもう加速していないことを示しています。だから一日の急騰は、まだ起きていない数か月分の成長に、投資家が今日の値段で先にお金を払ったものと見ています。

一方で、逆の見方にも十分な根拠があります。バーティブの営業利益率(売上のうち利益として残る割合)は、2023年末と2024年第3四半期にもピークをつけました。どちらのときも、その後の1年で売上は伸び続けました。

2023年末の利益率ピーク後1年間の売上の変化25.79%
2024年第3四半期の利益率ピーク後1年間の売上の変化29.05%
グラフ:過去に営業利益率がピークだった四半期ごとに、1年後にバーティブの四半期売上がどれだけ変わったか。出所:SEC EDGAR、MKViz の計算。

ただ、この記録は半導体・データセンターブームのうち、投資が増え続けた一つの時期だけのものです。景気が落ち込んだときにどうなるかは、まだ試されていません。

何が私の考えを変えるか?

私がいちばん注目している数字は、顧客が前もって払うあの手付金です。

売上が伸びているのに手付金が減り始めたら、バーティブは新しい受注を十分に取れないまま、以前の受注をこなしていることになります。手付金が増え続けるなら、新しい受注がまだ現金と一緒に入ってきていて、今の株価にも説明がつきやすくなります。

いつもの発表時期からすると、次の決算は2027年1月22日〜2月11日ごろでしょう。それまで、バーティブは私の注目銘柄に残しておきます。

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1年後、バーティブが受け取る手付金は今より多い?

判定: 2027年9月期の決算発表 · 読者の意見であり、投資助言ではありません。

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